野施行 〜後編〜

お供えが全部済むと、お家に帰ってきてその人が拝まはるんや。
その人に狐と狸が乗り移って話すんやけど、それぞれ名前が付いててな。

お梅どんとお竹どん言うんや。
その二人が話すわけや。

「私の頭の上におしっこかけはる人がいる。それを辞めてほしい」てな。

昔は、男の人が立ちションをよくしはったんや。
女の人かて野原でおしっこする人がいはったんやで。
そやから、それは辞めて欲しいてお梅どんやお竹どんが頼まはったんや。 
   スミ1



何で野施行をしてたのかって?
それはな、動物達が食べ物に困って畑を荒らしに来んように
「どうぞ食べてください」ゆうて、食べ物を分けてたんや。

昔は動物と共存してたんやで。


今の時代はとにかく人間が中心の世の中やさかい、動物が山から下りてきたら駆除することを考えるやろ?それは悲しいことや。
お互いの事を考え合える関係を築けたらええのになぁ。
これは人間同士の関係にも言えることやと思うわ。

相手のことを思いやる心は、人間が持っている感情の中でも特に大切やと思うしスミおばあちゃんの大好きな「心」や。

                     <野施行・完>


にほんブログ村 イラストブログ 絵日記へ 〜ランキング参加中〜クリックお願いいたします♪〜

テーマ : 絵日記 - ジャンル : 日記

野施行 〜中編〜

その人はホンマに乗り移ったはんのか何なのかよう分からんのやけど、
夢中にならはったらピョンピョンピョンピョン飛び歩かはんねん。
走らはるねん、暗いのに。

そうやってな、ず〜っと「ここは何人!ここは何人!」
言うていかはるのや。
そのたんびに追わえていって半紙引いてなぁ。

一番最後に供える場所には昔からの大きな木があるんやけど、
その木に洞穴ができてたんや。

立派な大きな木やってんで。

神木みたいやったわ。
       スミ神木

野施行するときには、近所の子供がついて来るんやけど
そこにわんぱく小僧がおったわけ。

するとその子、供えていったしりから食べるんやわ。
それを見てその人「供えたてをすぐに食べやがって」ゆうて
えらい怒ってなぁ。

首筋捕まえて木の洞穴へ頭突っ込まはんのや。
「これからせーへんか!せーへんか!」ゆうてな。

そしたらわんぱく小僧が怖がって
「これからしません!」て泣いて謝ってたわ。

                             〜野施行 後編に続く〜


にほんブログ村 イラストブログ 絵日記へ 〜ランキング参加中〜クリックお願いいたします♪〜

テーマ : 絵日記 - ジャンル : 日記

野施行 〜前編〜

    スミ野施行



野施行(のせぎょう)ゆうのはな、野原に施す・・つまり動物にお供えするんや。
寒なったら食べ物がなくなるやろ?
他の動物もそうやけど、狐と狸が代表者になってるんや。


かやくご飯炊いておむすびにして、それからサツマイモを唐揚げにして
作之助おじいちゃんが餅箱に入れて、狐や狸がいそうなところへ担いで持って行くんやけど、儀式みたいになっててなぁ。



狸や狐が乗り移ってもの言う人がいはるんや。
それはホンマか嘘か分からへんけどなぁ、そういう人がいはったんや。 

その人がな、タッタッタと歩いていかはるんやけど、その時分懐中電灯なんかあらへん。そやから提灯をぶら下げて行くんや。

「ここは何人!ここは何人!」ゆうてな。
何人っていうてるけど、動物のことやで。
スミおばあちゃんは半紙を四つ切りにしたものを持ってて、
言わはった場所に半紙引いてその人数分だけ載せるねん。



                              〜野施行 中編に続く〜 




にほんブログ村 イラストブログ 絵日記へ 〜ランキング参加中〜クリックお願いいたします♪〜

テーマ : 絵日記 - ジャンル : 日記